2026.6
2019年に妻と一緒にスイスのジュネーブ大学を訪ねた時の、校内の壁に彫られた宗教改革者群像(左からGuillaume Farel,John Calvin,Theodore de Beze,John Knox)
"Nehmt uf euch mein Joch und lernt von mir:denn ich bin sanftmuetig und von Herzen
demuetig;So werdet ihr Ruhe finden fuer eure Seelen.Denn mein Joch ist sanft,und meine Last ist leicht"(Matthaeus11:29-30)
”わたしは、心が柔和でへりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、私から学びなさい。そうすれば、魂にやすらぎを得ます。わたしのくびきは負いやすく、私の荷は軽いからです。」”
(マタイの福音書11:29-30)
【古賀敬太のプロフィール】
1952.1.16日生 現在大阪国際大学名誉教授
元同志社大学・龍谷大学非常勤講師
専門領域:西欧政治思想史
早稲田大学政経学部卒
京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学
博士(法学)京都大学
大津キリスト集会所責任者(HP:bible02.com)
同居人 妻ひとみ、可愛い猫メフィ
*なお、このHPは、毎月の初めに更新されます。
【著作一覧】
古賀敬太の著作は、以下の四つの研究領域に区分されます。
1.C・シュミット研究
2.政治思想研究
3. 政治概念の歴史的展開の研究
4. キリスト教・聖書関係
1. Carl Schmitt 研究
シュミット研究の視角
❶ 「非常事態」における「緊急権」の意義を提唱したドイツの国法学者C・シュミットの学問的営みを通して「緊急権」の意義と問題点を考察する。これは日本において憲法における緊急権規定の必要性が叫ばれている今日、重要な課題である。C・シュミットは、内憂外患を呈したワィマール共和国を救出しようとしたのか、破壊しようとしたのか、その際に「緊急権」はどのような役割を果たしたのか、この問題を考察したのが『カール・シュミットとその時代』(みすず書房、2019年)です。
➋今日、リベラリズムや多元主義を否定するポピュリズムが盛んになっている。シュミットは民主主義的な同一性や同質性を強調し、自由主義や多元主義批判を展開した。ポピュリズムの思想にシュミットの影がちらついている今日、再度シュミットの思想を批判的に再構成し、新たな民主主義の再興のために生かすことが必要です。この問題を検討し、思想史的視点から民主主義の危機の克服を議論するために、現在ズームで「民主主義研究会」を開催しています。「民主主義研究会」に関しては、このHPの「民主主義研究会」の項目をご覧ください。
❸ シュミットの「非常事態」や友・敵という政治概念における政治神学や聖書の終末論の影響を浮き彫りにしたのが『カール・シュミットとカトリシズムー政治的終末論の悲劇』(創文社、1999年)です。
❹ 日本の憲法学におけるC・シュミットの憲法・政治思想の継受を考察したのが、「日本の憲法学におけるカール・シュミットの継受ー黒田覚と大西芳雄」(1)(2)(『国際研究論叢』、第33巻2,3号、2020年1,3月)です。ファシズムに至る日本政治の激動の時代において、シュミットの憲法制定権力や緊急権の思想がどのように継受されたかを考察したものです。
2.政治思想研究
❶ 【ヘレニズムとヘブライニズムの思想史】
西洋政治思想史の成立・発展をキリスト教の視点から考察し、古代・中世における政治思想をヘレニズムとヘブライズムの対立と融合という角度から考察するしたのが、『政治思想の源流』(風行社、2010年)です。
➋ 【近代政治思想史】
バーリンやアレントの問題意識に触発され、消極的自由と積極的自由の関係を中心に、M・ルターからJ・S・ミルまでの政治思想を考察し、積極的自由なき消極的自由を説くリベラリズムを批判したのが、『近代政治思想における自由の伝統ールターからミルまで』(晃洋書房、2001年)です。
❸ 【ナショナリズムとコスモポリタニズム】
古賀著『コスモポリタニズムの挑戦ーその思想史的考察』(風行社、2014年)では、コスポリタニズムとナショナリズムの相克を描き、今日におけるナショナリズムなきコスモポリタニズムの脆弱性とコスモポリタニズムなきナショナリズムの排他性を同時に批判し、キケロの「同心円的コスモポリタニズム」を提唱します。。
❹ 【ジャック・マリタンの政治思想】
フランスのネオ・トミストのジャック・マリタン(1882-1973)の政治思想の考察を通して、民主主義とキリスト教との密接な関係を明らかにします。また神を否定する近代的なヒューマニズムに対して、神を中心とする「統合的ヒューマニズム」を提唱する。現在までの古賀のマリタン研究は以下の通りです。
【1】「マリタン『人間と国家』」(足立幸男編著『現代政治理論入門』、ミネルヴ ァ 書房、1991年)
【2】「 ジャック・マリタンー共通善と友愛の政治」(富沢克・古賀敬太編著『二十世紀の政治思想家たち』、ミネルヴァ書房、2002年)
【3】「ジャック・マリタンと近代ヒューマニズム」(千葉眞編著『講座政治学Ⅱ―政治思想史』、三嶺書房、2002年)
【4】「ジャック・マリタンの自然法的コスモポリタニズム」(古賀敬太『コスモポリタニズムの挑戦―その思想史的考察』(風行社、2014年)
❺ 【A・D・リンゼーの政治思想】
イギリスの政治哲学者A・D・リンゼー(1879-1952)の民主主義論の根底にあるピューリタニズムの思想を明らかにすると同時に、リンゼーが全体主義に対抗していかに民主主義を擁護したかを考察する。現在までの古賀のリンゼー研究の成果は以下の通りです。このリンゼー研究は、滋賀大学名誉教授の故永岡薫先生によって触発されたものです。
【1】古賀敬太「リンゼイの人間観ープレインな人間」(永岡薫編著『イギリス・デモクラシーの擁護者A・D・リンゼイーその人と思想』、聖学院大学出版会、1998年)43~68頁。
【2】古賀敬太・藤井哲郎訳『デモクラシーの宗教的基盤ーオックスフォードチャペル講話』(聖学院大学出版会、2001年)The Nature of Religious Truth,1927,The Good and the Clever,1945,St.Paul and Kierkegaard,1948の翻訳。
【3】古賀敬太「リンゼイ」(『西洋政治思想と宗教ー思想家列伝』、風行社、2018年)373-382頁
3.政治概念の歴史
このテーマを中心として、『政治概念の歴史的展開』(晃洋書房、1~8巻)を刊行しました。(1~6,8巻は古賀敬太編集、7巻は、押村高編集)政治概念をその歴史的文脈に即してその変容を跡づける本シリーズは、編者がO・ブルンナー、W.コンッエ、R・コゼレックの編集による『歴史的な基本概念』(全七巻、HistorischGrundbegriff,Klett-Cotta,Band1-7)によって触発されて始めたものです。日本では、福田歓一氏の業績(『福田歓一著作集、第四巻)』)がよく知られています。読者は一つの概念の歴史的変容を知ることによって、その視点から古代、中世、近代、現代の政治思想の変容と展開を知ることができます。
4 キリスト教・聖書関係
【1】 政治と宗教との関係を軸にして古代から現代までの西洋政治思想の展開を跡づけたのが、『西洋政治思想と宗教ー思想家列伝』(風行社、2018年)です。
【2】日本・西欧の文豪や著名人が聖書をどのように読んだのかを描いたのが『28名の著名人と聖書』(伝道出版社、2022年)です。
【3】内村鑑三の弟子で、聖書信仰を基盤にファシズムと戦った矢内原忠雄の生涯を描いたのが、『矢内原忠雄とその時代』(風行社、2020年)です。
【4】 歴史の中で教会が変質し、権力と結びつき、抑圧機構になる中で、また世俗化の嵐に屈する中で、絶えず「初代教会に還ろう」という宗教改革の運動がなされてきたことを考察したのが、『信徒の諸教会』(E・H・ブロートベント著、古賀敬太監訳、伝道出版社、1989年)の翻訳です。。
【5】ドイツの傑出したルター派の神学者が、なぜナチズムにコミットしたか、その政治的・神学的背景を考察した『第三帝国を支持した神学者たち』(R・P・エリクセン著、風行社、2000年)の翻訳。
【6】近代日本のプロテスタント史の軌跡と問題点を、札幌バンドの内村鑑三、横浜バンドの植村正久そして熊本バンドの海老名弾正に焦点を当てて考察したのが『近代日本のプロスタント史の政治思想ー内村鑑三、植村正久、海老名弾正の足跡」(風行社、2024年)です。
*なお以上の著書、ないし翻訳の詳細については、このHPの「著作一覧」をご覧ください。